2002/06/04: 2002年 FIFA ワールドカップ日韓大会 002
6月 4日 日本 2 - 2 ベルギー (埼玉)
- 試合結果
前半は、ベルギーの中盤からの強いプレッシャーに日本は常に後手に回り、再三ベルギーに得点機が訪れるが何とか 0 - 0 で終える。
後半早々、日本のオフサイドトラップを狙ったベルギーの作戦が功を奏し、ウィルモッツのオーバーヘッドが決まりベルギーが先制。それを契機に日本が積極に攻め始め、小野のロングパスに鈴木がゴール前に飛び出して同点。小野と交代で入ったサントスがいる左サイドでうまくパスが回り、柳沢からのパスを稲本が受け、ベルギー DF の体をはねのけてキーパーとの1対1をうまく決め勝ち越す。しかし、またも日本のオフサイドトラップミスからベルギーのバンデルヘイデンがループシュートを決め同点にされる。稲本のゴール前での個人技で勝ち越したかに見えたが、ファールでノーゴール。ゴール前で柳沢が再三倒されたのがノーファールになったり、ベルギーにとってもペナルティーエリア内で楢崎と交錯したのがファール(PK)にならなかったりと、審判の不手際を感じる中、引き分けに終わった。
-
- 感想
ノルウェー戦→スウェーデン戦→ベルギー戦の流れを汲む試合だった。日本は1対1で交わしながら攻めるということはせず、ひたすら危険を冒さずに無難にパスで攻めようしていた。相手は1対1では勝てるとしてどしんと立っていて、パスをカットして攻め上がることをしていけばいいのである。これでどんどん攻めあがってくるような強豪国相手だと惨敗する。ベルギーだったから良かったものだ。アウェーのノルウェー戦は当然惨敗した。ホームのスウェーデン戦はなんとか凌いだ。
その中で、日本で1対1に強い中田は当然密着マークを受けても平然とプレーしていたが、中田と同様の扱いを受けた小野には酷だったようだ。この2人を完全に抑えられる一方、フラット3の DF 3人は、攻め手がないとベルギーの FW の選手が近づくと横パスで逃れるのみ。たぶん、DF の誰かがここで詰めるベルギーの FW を交わして、攻撃の起点となれると違うのだが、ひたすら消極的に回避的な横パスを行う。横パスは弱いものが多いので、相手 FW が積極的にパスカットを狙おうとすれば出来たはずで、それが出来る強豪国相手だとチャンスを作られ失点してしまいそうな雰囲気である。
その中で唯一希望だったのが稲本である。ちゃんとベルギー選手を交わしてプレーして攻撃の起点になれていたのである。中田や小野が起点としては封じられている中、彼の存在はかなり重要だった。スウェーデン戦で交代で入ってきた明神も相手選手を交わして起点となろうとしていて、それでずいぶんチームの状況が変わったものだ。とにかく、1対1で交わすことができるよと日本の選手が示すことがとても重要なのだ。だから、今後の試合で、先発の稲本、交代で入ってくる明神、そして、サントスが明暗を分けるキーマンになるだろう。
後半、失点したこともあり体を張ってプレーするようになってがらりと日本の攻めが変わった。ベルギーがばててきたという点もあろうが、簡単に倒れないぞ、ボールへなるべく早く詰めるぞというそういうプレーが出てきたのが大きかった。稲本のゴール前での動きはすごかった。彼のおかげでベルギー戦は
、もしかしたら、勝っていたかもしれないが、引き分けに終えることができた。彼が、中田以外に体を張ってプレーするイニシアティブをとれたことが、ベルギー戦のすべてであったろう。
-
- 予想
はずれたな。ベルギーが勝つと思ったのに。グループリーグ突破の計画に大きな修正を加えることになったかもしれない。引き分けだったから、チュニジア戦でベルギーが奮起して勝っちゃうかもしれないじゃない。日本に勝っていればベルギーは慢心して、チュニジアに黒星を喫する手はずなのにね。
-
- ロシア戦
ベルギーと引き分けしまったので、グループリーグ突破のためにはロシアに勝つことが必要だ。ベルギー相手に2点得点できたから、ロシア相手にも得点することができるだろう。ベルギー戦で怪我で途中交代した森岡が戻ってきて、ミスが多かった松田を服部か秋田に変えて DF を引き締めれば、ロシアを封じることも可能かもしれない。
難しいと言えば森岡の体調。彼のために DF 用の交代枠を一人残しておかなければならず、明神、サントス、FW の攻撃的な交代の決め手を出すことが不可能になってしまった。
ベルギー戦で失点後、強気になって、ポーランド戦以降の攻め手を欠く日本から脱却できたことが大きい。ベルギーとの引き分けはグループリーグ突破の大きな誤算であったが、ロシア戦への大きな前進になったと言いたい。だから、勝ってね。
-
- ロシア戦新たな予想
FW: 柳沢・西沢
AM: 中田英
MF:小野・稲本・明神・戸田
DF: 中田浩・森岡・秋田
GK: 川口
交代枠:小野→サントス、西沢→森島、森岡→宮本
日本 1 - 0 ロシア
大歓声の中、熱気でばて気味なロシアを相手に日本が終始優位に展開。後半早々、柳沢が倒されて得た PK を中田がきっちり決める。ロシアは最後まで攻めきれず、日本のワールドカップ初勝利。
-
- 3バック
3バックは4バックより攻撃的であると言われているが、実はぜんぜんそうではなく、守備的なのだ。4バックは守るときは4人だが攻めるときは2人になり、超攻撃的になれる。3バックは攻めるときでも3人が後ろにいるので、中盤が薄くなる。・・・・・・じゃないのかな。