ま、あほくさっていうより他ないね。自分はサッカー素人だから独断と偏見で書いているだけなので以下注意。
そもそもさ、W杯の代表メンバーが決まって、よし頑張れっていうときに、3バックで行くというニュースが流れたのさ。自分は国内組の試合の悪い結果から、3バックでいくべきという声が高まっていることを受けたニュースだと当初思ってたんだけど、ジーコがそう発言したということが分かったことでかなり落胆したのさ。3バックはDF3人がつねに守備に回っていて、中盤とDFラインとの間があいて、DFから中盤へボールが渡らず攻撃の組み立てができなくなるというトルシエ時代の悪夢を見たくなかったからさ。でも、もっと違った形でその悪影響が出てきたわけど。状況から考えるに、宮本が直談判でもしてジーコがそれを飲む形で3バックへの変更になったんだろうと思ったんだが、妥協してしまったジーコの決意力の弱さと宮本の自分勝手に腹立ったわけだな。
ドイツ戦で3バックを見たわけだけど、ぐだぐだな割りにいい試合を演じていた。ま、3バックへの変更は最悪だったが、今の日本代表の力だとグループリーグぐらいは突破してくれるのかなと内心期待を抱いたわけさ。でも、甘い考えだった。マルタ戦ではマルタは日本の攻撃をファールで確実に止めるという戦術で来てて、日本は開始早々得点したけどそのままぐだぐだな内容で試合は終わった。前半は攻めが悪かったということで4バックへ変更してきたが、まず、小野が交代で入って、その後、ドイツ戦で出てない選手をすべて出していくという本戦の前のテストマッチというよりはサッカーショーっぽい選手交代が行われたわけだ。そのときはあまり嫌な感じは自分はしなかったけど、後のオーストラリア戦で見せるジーコのまずい采配をほのめかしていたなぁと後で思ったわけさ。
3バックへの妥協は仕方がない選択だったとも思える。ジーコは専属の守備コーチを付けようとしたのだが、協会はジーコのジーコファミリーでスタッフを固めようという傾向を嫌がったのかは知らないが、ジーコのその要求を拒否した。ジーコは監督についてしっかり勉強しているというよりは、長い選手生活から培った戦術感を持って指導するタイプだったみたいで、守備についてはまるっきし素人であった。そのため、日本代表の守備が全然まとまらなかった。トルシエ時代の3バックを捨てて4バックを選択するこだわりがあったため、4バックのための強力なサイドバックに守備の選手ではなかったサントスと当時は実績があまりなかった加地を選ぶという選択以外は、凡庸な守備の選手選びしかできかなった。というよりはトルシエ時代の3バックの守備の遺産を引き継いでなんとかごまかそうというそういう感じさえあった。そのため、守備に関して宮本に完全に依存してくる。そのためW杯直前になって、メンバーは4バックのメンバーを選んでいるのにも関わらず、宮本が3バックにしたいと強く主張してきたらそれを拒否しきれない状況であったろう。とにかく、守備コーチを得られなかったジーコは日本の守備を最後までまとめあげることはできなかった。それは協会の問題もあったと言える。監督にジーコを選ぶところは不透明だったし、さらにジーコの足を引っ張ってきたそういう体質を持ってるのが協会だ。でも、日本の選手はどの選手も守備の意識は高いから、守備の問題がそれほど明確に現れてこないで、ぐだぐだな試合として曖昧にしか現れてこなかったのも、守備の問題を根本的に解決するきっかけを失ったとも言える。ま、これは高原とか柳沢が守備に奔走してそれで疲れてしまって攻撃の切れを見せない原因にもなってるんだけどね。後、長年の海外生活で守備の意識を失った選手が1人いたわけさ。それが小野。ジーコにその才能で重宝されたが、日本的なトータルフットボール的な意識の欠如した小野が日本のぐだぐだながらも持ちこたえる力強さを崩壊させていく試合がオーストラリアで見せ付けられたわけだ。
オーストラリア戦。オーストラリアはそれほど強くはなかった。ま、アジアの強豪であるイランとか韓国並かそれにやや劣る程度。攻撃の選手はさすがにイングランドのプレミア所属の選手が多いだけに、確かにいい。ま、決定的な何かすばらしいものを持ってる選手はいないし、攻撃力はヨーロッパの中堅レベルとは言えない。守備もがたいだけってところ。でも、すべての選手は基本的技術がしっかりしている。しっかりした体格に確実なボールコントロールと基本的な体の使い方やパスの能力をすべての選手が身に付けてる。日本みたいに体格はあるけどボールコントロールはまずいとか、テクニックはすぐれているけど体の使い方ができていないとかそういうアンバランスさがない。ま、日本もこういうレベルの選手で固められる時代が来ればなとは思うもののあまり期待はできない。オーストラリアのこういう欧州標準的な基本レベルをクリアしている選手が揃っていることとヒディンクの相手に対して適格な戦術の選択がかなり効果的であり、日本だけでなくブラジルさえも苦しめた。ま、ブラジルは適格な戦術を以ってしても抑えきれないスキル溢れた選手が揃っているから、オーストラリアでは抑えきれなかったけど、日本に対してかかなり効果的だったと言える。そもそも、日本が基本レベルをすべて満たさず、偏ったばかりの選手しかいないのはJリーグに原因がある。Jリーグを見ていればすぐわかるが、とにかく笛をすぐ吹く。倒れた選手がいれば止めてしまう。ま、これはファールを厳格に止めてしまっているせいだが、体の接触がいわば禁止されてしまっているわけで、そういう状況で世界基準の選手の成長が見込めなくなってしまう。ボールを扱ううまさだけよければなんとかなる。体を当てられても転べばファール貰える。逆にDFは体を使った守備がほとんどできなく不利なので、選手を止めるには明らかにファールであるようなプレイに走らないといけなくなる。選手を突き飛ばすとか足を引っ掛けるとか。特にテクニックのある選手を止める場合は悪質性の高い足を蹴る行為をしないといけなくなるので、怪我が多くなってしまう傾向にあると思う。体の接触がある程度認められれば、体を当てられてもうまくバランスを取る工夫ができるようになるし、体を当てられたことによりボールコントロールを失う場合にでも相手ボールにしないためのぎりぎりのプレイができるようになるだろう。日本の選手がシュート以外でのパスとしてのヘディングが下手というのも体が接触した状態でうまくボールを味方が近くにいる場所に落すとかの、体のバランスが少し崩れた状態でのボールコントロールの力がないためである。それは、体の接触がある程度認められた試合で経験を積むしかないと思うし、今のJリーグの厳格すぎるファール基準の中では身につきにくい。体が接触し合う中でボールをキープしたり、マイボールにし続ける技術が身につかないことで、さらに、速いボールや体勢的に難しい位置にあるボールを扱う能力も下げてしまっている。また、体が接触してもボールをキープしようとする意思が欠如するので、結果としてボールを保持している人が責任を持ってボールを扱う精神もなくさせてしまい、日本の選手が簡単にボールを手放し、トリッキーに見えるけど無責任なスペースへのパスだしとかが多くなるという見せ掛けだけの技術しか見せなくなる。ボール保持者の面から書いたが、ボールを奪う方にしても体が接触し合う中で、いかにファールまでいかない当たりでボールコントロールを失わせ、ボールを奪っていく技術も身に付かなくなる。まとめると、Jリーグの厳格なファールの基準は上辺だけのテクニックを持った攻撃の選手と、体を使った巧みなボール奪取力に欠き、運動量と読みの良さだけの守備の選手しか生まなくなってしまうのである。とは言え、日本代表として外国とたくさん戦ってきた選手はそういう問題を克服していく傾向にある。これが代表選手と非代表のJの選手の乖離減少を生む。Jの選手は代表の試合で役に立たない一方、代表の試合の経験をたくさん積んだ少数の選手だけがなんとか使えるという状態になる。攻撃の選手に関しては海外リーグに移籍している選手もそこそこいて、選手が足りないということはないが、守備の選手は海外リーグの選手がまったくいないので、代わりの選手がいないという状況になってしまった。
かなり脱線したが、オーストラリア戦は特に優れた特質を持っているわけではないがしっかりした技術に裏打ちされた選手による日本の弱点を徹底的に狙った攻撃にかなり劣勢に追い込まれた。宮本を中心とするDFはオーストラリアが確実にボールを繋ぐ一方、ゴール前で放り込んででかい選手がキープし脅かすもんだから、即座にラインを下げてしまう。確かにがたいはしっかりしているけど鈍いビデュカを止められないわけでもないのだが、DFがファールにならないぎりぎりの体の接触を利用した守備があまり得意でないのでまったく抑えきれない状況に陥る。これは宮本がラインを安易に下げてしまったことで、中盤との間にスペースが空いてしまって、そこをオーストラリアにいいように使われてしまう一方、中盤は間延びしてしまったがゆえにプレスが効果的に掛けられずぐだぐだになっていく。それでも全員で守備という姿勢があったので、オーストラリアが得点するには至らず、逆に中村のクロスがラッキーな得点に繋がった。ただ、このラッキーな得点が裏目に出る。審判がキーパーへのファールを取るべきだったと思ってしまって、オーストラリアに有利な笛を吹くようになってしまった。オーストラリアの当たりはひどくなっていくわけだけど、それほどファールを取らないので、体の接触の弱い日本はかなり窮地に追い込まれるようになった。駒野がペナルティーエリアでケーヒルに削られてPK貰い損ねたところで極まってた。駒野は怪我の加地に代わって入ったが、守備はそこそこやっていたけど、オーストラリアが攻撃的になる中で空いたスペースをうまく使うことができなかった。安易にクロスを上げていくだけで、中に切り込むとかの選択をしなかった。これは駒野がJレベルの選手に過ぎないから仕方がないといえば仕方がないのだが、あまり代表で試合に出たというわけでもなく、非代表のJリーグの選手という乖離の犠牲者でしかなかった。ま、それほど右サイドから効果的な攻撃はできなかった一方、FWがチャンスをものにできなかったのも大きいが、むしろ、決定的なチャンスを作り得なかったからFWが決めきれなかったという面もある。これはラインを深く取ることでオーストラリアの攻撃をまともに受けることになって、FWまでもが守備に回っていく状況から仕方がないことであった。劣勢の中で日本はぎりぎりの状態で持ち越えてはいたけど、坪井が太ももをつってあまり連携取れていない茂庭と交代し、さらにこの茂庭と交代で小野が入っていくことで、ぎりぎりの状態は崩壊していった。小野が守備をほとんどしなかったのがかなり大きかった。これは小野が海外にいた為による意識変化の他に、怪我であまり試合に出てなく試合勘が鈍っていて、いまどういう状況だと言うことをあまり理解できず、攻撃の選手で入ったという意識の元にいつも通りのプレイをしたことが原因であったと思う。小野が入って立て続けに点を入れられて1−3で大敗北を喫したわけだが、この負け様はもう呆然とするしかなかった。後半途中まで勝っていたのに空中分解して、強いと言うわけでもないオーストラリアに惨敗することは理解できないことであった。もう、このときはショックで何も考えられなくなったよ。というか、W杯自体を楽しめなくなってしまった。クロアチア戦のクロアチアのように、オーストラリアがそこそこ強い国であればある程度は納得できただろうけど、この敗戦は屈辱として後世まで残ると思う。
オーストラリア戦の大敗北の原因は3バックという引き篭もりカウンター戦術を採用し、攻撃的にくるオーストラリアに合わせて試合してしまったことと、宮本が弱気になり過ぎてラインを下げて中盤との間が空いてプレスが掛かり難い状態に持っていってしまったことと、試合勘のまったくない小野によるチームバランス崩壊だと思う。それに日本らしいサッカーをするには炎天下の中で暑過ぎたこともあろう。この敗戦はオーストラリアという強いわけでもない国に大敗北を喫するにはどれほど悪い選択、悪い条件が重なればいいのかというのを見せつけたことにあると言っていい。それゆえに、次のクロアチア戦でのジーコの采配は光ったものになってくるのだが、この大敗北ほど理解不能でがまんならないものはない。日本代表の試合で今まで見た中で最悪の試合だった。
クロアチア戦。クロアチアはオーストラリアよりも全体的に水準がかなりアップしたチームだという印象を受けた。組織はよし、守備はよし、攻撃は決定力ないがよし。まさにヨーロッパの中堅国の力をまざまざ見せられた。ま、日本は劣勢に追い込まれるわけだけど、その原因はこのクロアチアの基本的なレベルの高さに加えて、日本のウイークポイントを徹底的に突いてきた点にあったと言える。逆にこの試合を通じて日本の欠陥がはっきり分かっただけでもありがたいかなと思える。でも、こういうのは親善試合でしてもらって、本番は欠点を克服した状態で日本らしさがたくさん出る試合をして欲しかったんだけどね。
日本の欠陥はというと宮本。宮本が個人としてあまりにも競れない。というか対等に戦えなさ過ぎた。1対1になると他の味方の選手が来たらすかさず逃げてスペースのカバーに切り替えようとするし。こういう戦えないDFが1人いるだけで、中盤、FWと守備に奔走しなくちゃいけなくなる。特に高原は守備に奔走し過ぎてた。宮本のところを戦えるDFにしておけば、もっと中盤、FWが守備に追われることもなく、攻撃に専念できるようになって互角に戦えたんだろうなと思う。そういうのが素人にでもよく分かる試合であった。宮本が戦えないということは自覚あったようで、W杯直前にジーコに直談判かでもして3バックにしてDFを増やしてもらった気が分かるよ。クロアチア戦は4バックだったから頼れるDFは中澤だけで、中澤がまさに奮闘してた。さらに宮本の隣りにはサントスがいるけど、彼は攻撃の選手で守備的な能力はあまり高くない。でも、1対1の守備は本職の宮本よりはうまい。ま、サントスはスルナを止めきれなかったけど、完全に自由にさせるわけでもなく、逆に最終的には左サイドの主導権はサントスが取ることにはなるので、サントスの守備のまずさはそれほど深刻ではなかった。結局、宮本というDF1人の欠陥がいても何とかなるという余裕を見せるには強すぎる相手だったし、きちんと日本の欠陥を突いてきたから日本の守備組織がぼろぼろになったという感じだった。日本をあまり研究してない相手ならなんとかなるんだろうが、研究してかつ自分の本来の形を崩してまで弱点を突こうというクロアチアの姿勢に対応するには厳しかった。日本が弱点という弱点がないチームを構成できていれば、これほどまでにクロアチアに押し込まれることはなかっただろう。
この試合はジーコの早い交代などで守備の面ではかなり助けられた。攻撃の交代はやや遅いかなって感じもするけど、攻撃に関しては代えてもそれほど変化なかったろうしあまり問題ではない。この試合の攻撃での重要ポイントは加地のグラウンダーのパスをフリーの柳沢がありえないシュートで外したことだろうけど、ま、柳沢はそういう選手だしあまり失望することはなかった。逆に得点したことでクロアチアがより攻撃的に来て立て続けに失点して負けるということを柳沢は無意識に理解してシュートを外したのかなと深読みもできないわけでもない。ま、勝てる試合だったけど、柳沢のありえないミスで引き分けに終わったというやや余裕の感じで試合を捉えることができたのが救いであったと言えるだろう。
ということを言っているが、この試合に自分は完全に満足しているわけでもない。W杯まで来て結局日本ってここまでの力しか持てなかったんだなと諦めを感じた試合でもあった。諦めの中にもよくがんばったという意識があるという点で満足したということである。このW杯で日本は選手が充実した機会だったわけだけど、やはり、海外組の能力の高い選手の力だけではJリーグの国内組の欠陥を補いきれなかったんだなと思った。たとえジーコよりもいい監督を据えたとして日本代表が強さを見せたとしても、結局は国内組による押し上げはないことには変わりないので、W杯の結果だけで真の日本の中堅クラスへのクラスアップに繋がるわけではないからあまり意味ないんだなと思う。ヒディンクは日本は弱いとか言ってる記事があったりするけど、オーストラリアも弱いし、たまたま日本に勝っただけだし、クロアチアのような中堅国のレベルに昇格したわけでもないのにオーストラリアが強くなったと言っても強がりでしかないし、あまり意味ないから、ジーコがそういうこと言って日本にそういう強がりはさせないでくれとジーコに願うのみなんだな。
ブラジル戦。日本の守備だと抑えきれないなという感じ。敗因は柳沢を先発で入れなかったことだと思う。自分は柳沢先発にして欲しかったが(2TOPは柳沢と高原がベータ)、ジーコのことだから柳沢外すなと思ってたけど、やっぱり外してきたし。玉田、巻の2TOPで1点は入れたものの、日本のいいパスワークはほとんど見れなかった。というか、フリーランニングがこの2人ではダメ過ぎて中田も中村もボールの出し所に窮するし、ワンツーで抜けるということもできなくなった。それに、玉田は持ち過ぎて早いパス回しが止まってしまうし、巻はテクニック不足。少なくとも、後半頭から柳沢、高原を入れればというところだけど、小笠原→中田浩二で中田を2列目に上げて、放り込みで中田、中村を飛ばして2TOPに入れる戦術になったときは、中田を2列目に上げた意味がないと思った。後半、日本は前掛かりにしようとするところをブラジルに簡単に繋がれて大量失点。こういうパターンはオーストラリア戦でも見た。みんな守備の意識がないと守りきれないという感じか。高原入れたものの怪我で大黒に代わる始末。大黒はテクニックあまりなく、終始裏狙いだから、ブラジルによく読まれて全然怖くないし、結局はサントス頼みの攻撃に終始した。
守備はライン引き気味でミドル入れられ、上げ気味で裏取られて失点とにっちもさっちもいかない状況だった。宮本がいれば統率力で守備崩壊を防げたかもしれないが、結局、宮本がコーチング的なプレイのために守備の人数が足りなくてFW、MFが守備に行かないといけなくなって、攻撃力ががくんと下がるし、どうしようもないところ。ブラジルに勝たないといけない状況で攻撃的に出たところをあっさり失点重ねてるから、2戦目までに引き分け狙いにいけるような条件にできなかった時点で終わってたんだろうね。前半、玉田の1点で 1-0 になっても実質1-2だったから、1点入れないといけないそういう状況で、守備的にいけなかったし。日本は前半オーバーペース気味だったから、後半完全に疲れた状態だった。特に高原の交代が痛かったかな。あと、ボールを回されまくったら、マルタ戦でマルタがやったように、とりあえずファールして止めていくことをしていかないとダメなんじゃないのかなと思った。もっと激しいプレイしていかないとブラジルみたいなテクニックが突出しているところはいいようにプレイできてどうしようもなくなる。
W杯直前から3戦目まで、ジーコというか日本代表が取った策がすべて裏目に出てる。そもそも、W杯直前にいきなり3バックへの変更。3バックでの練習に終始したから、クロアチア戦、ブラジル戦と4バックにした試合は特に守備にも攻撃にも連携不足になりがちになっている感じ。オーストラリア戦は1トップに対して4バックの方がいいのに3バック。クロアチア戦は2トップから3バックの方が相性は良かったものの敗戦による4バックへの変更で戦術的な有利性が見出せなかった。ブラジル戦は引き分け狙いの守備意識の高い状態じゃないと守り切れない戦力差があったのに、勝ちを狙うしかなかった。ドイツ戦で加地が怪我したことでオーストラリア戦は駒野になって右サイドの攻撃がいまいちになった。田中誠は練習中に怪我してバカンス中の茂庭が呼ばれるし、オーストラリア戦の守備崩壊の一因にもなっている。結局、ジーコが最後まで3バックか4バックかなどなどの戦術を固定できなかったのも大きい。日本はグループリーグをまともな条件で戦えなかったね。ジーコは結果を残せないと選手の大幅入れ替え、戦術切り替えとか単純な方針でやっていたけど、それが特に選択が後手に回りすぎた原因にも見える。それでいて選手は固定して使いつづける頑固さはあったが。W杯直前の3バックへの変更という妥協でジーコの采配に関わる運とか勘とかがすべて吹き飛んでしまったと自分は考える。
F組はブラジルとオーストラリアがトーナメントに進出した。オーストラリアの突破は快挙だけど、クロアチアもオーストラリア程度に引き分けに終わるなんてだらしないなとしか言いようがない。日本のトーナメント進出のプランは第一戦目にオーストラリアに負けたところで終わっていた。もし買っていたら、1勝1分1敗で突破していたんだけどね。
日本はグループリーグでW杯が終わったけど、結果を何も残せず、白紙の状況から出発するしかない状況だね。結果を残せたのなら、次のW杯への方向性も見出せたけど、結果はない。確固として踏襲された核になる戦術を決めきれなかったというか、右往左往、どたばたというか行き当たりばったりの戦術を取ったから結果がなくても得られるべきものも失った。日本にとっての今回のW杯は、中盤の戦力的には充実してたけど完全に無駄遣いに終わった。最悪だな。
次のW杯へは、Jリーグの審判の世界基準から逸脱した方針を破棄し、国内組が少なくとも世界レベルの試合でまっとうに戦える基盤を作り、さらに、確固としたチーム戦術を構成できる代表監督を選んで、一から再出発しないといけないね。JFA にはあまり期待にできそうにもないから、お先真っ暗というところだけど。
日本代表の選手について個別に思ったことを書いておく。
日本の選手選考だけどさ、巻とか佐藤とかJで活躍している選手を待望する声がかなり強かったけど、バカバカ過ぎるよね。両人ともJではそれなりの決定力を発揮してはいるが、W杯レベルの試合に出るには明らかに能力不足だし。日本は全員攻撃、全員守備という日本的なトータルフットボールでなんとかなっているので、FW にしても少なくともある程度の高い能力を持っている必要があったし、巻とか佐藤ではシュートチャンスで決める確率はそこそこ高くなるだろうけど、日本全体の戦力ダウンは否めない。日本のFWは柳沢、高原がベストメンバーだった。柳沢は決定的なチャンスにシュート外したが日本の攻撃の生命線になってたし、高原は守備に奔走したのでゴール前での光ったプレイはなかった。ただそれだけ。ま、代表経験はほとんどないけど、松井、トゥーリオあたりは入れて欲しいかなとは少し思ったが、代表にほとんど呼ばれてない時点で終わってたし。
ジーコの日本代表は守備の欠陥から攻撃の能力を発揮せずに終わったし、アジア予選の迷走を見てみてもW杯でのふがいなさはある程度予想できる範囲だったのかもしれない。次のW杯は今までの主力選手の高原、柳沢、中村、中田が年齢的に出れなくなる確率高くて、かなり戦力ダウンしてしまう陣容になるけど、新監督のもと、W杯への切符を確実に手にし、トーナメント進出を確実にして欲しい。オーストラリアがアジア予選に参加するから多少困難になるけど、選手が代わっても今までの強さを維持できるのならなんとかW杯には出れるとは思うよ。