再放送やってたりと面白いのかなと思って、ちょっくら、鋼の錬金術師を見てみた。全51話でちと長かったな。ビデオチェックしてるときは、結構いいアニメかもと思ったけど、中の上ぐらいの出来って気がする。
このアニメの特色って1話限りの使い捨てキャラがほとんどいない。前に出てきた脇役キャラが後々になっても結構出てくる。ただ、そういうところは逆にちと強引かなとか思ってしまうのだけど、登場人物を大切にしている点に関しては好感。
メインテーマは等価交換。あるものを手に入れるためにはあるものを手放さなければならない。そこで主人公達や他の登場人物も苦悩したりする。自分の母親を生き返らせるため、主人公の兄弟が禁術の人体練成を行って、兄のエドは片腕、片足を失い、弟のアルは全身を失う。そこから話が始まる。
そこで疑問が生じる。エドは片腕を人体練成のために失い、片足を肉体を失った弟アルの魂を鎧に定着させるために失う。では、弟のアルは何のために肉体を失ったんだという問題になるんだ。兄弟の師匠は自分の子供を復活させるために内臓の一部を失っただけ。母の復活のための代償としては片腕だけで十分だという気がするんだが、一人の全身ともう一人の片腕は代償としては大き過ぎる。人体練成は兄弟2人で行ったが、弟は幾分未熟で全身を要求されたというのは考えることも可能だけれども。たぶん、映画版でこの当たりが問題になってくるのかな。
人間ドラマがメインなためか、錬金術に関しては描写が稚拙。エドは片腕を練成して剣にしたり、地面を突起させたりと戦闘に使う練成としてはいい加減。エド自体は人殺しのために錬金術を使わないからそれでもいいかもしれない。けど、他の錬金術師はあらかじめ練成陣を用意して戦ってるんだけど、錬金術をばしばし使ってくるので錬金術自体に重みがない。錬金術の技術の難、易を見せる描写がない。結局、錬金術によって生み出された結果にしか焦点が当たってない。
絵柄はまあまあ、アニメーションもまあまあ。その上でストーリーがしっかりしてる4クール分の分量があるアニメってところかな。