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2003/12/25: 自衛隊のイラク派兵その1

 自衛隊のイラク派兵がいいのか悪いのかというのを考えるのは結構難しい。良心的傾向を持った知識人の多くは反対しているみたいだが、私は賛成の立場を取っている。

 まず第一に、現在のイラクが危険だから派兵するのは駄目だという意見には、自衛隊は軍隊であり、危険なところで命を賭けて働くのが仕事だから構わないと私は反論する。自衛隊員の家族親戚の危惧を考えたところで、アメリカなど他の諸国の派兵部隊が危険な活動を行っているのを見ると、その家族親戚の危惧をそれ程重んじるわけにもいかなくなる。イラクの治安改善及び復興支援のために自衛隊員が命を賭けて働くだけであり、危険かどうかというのは、治安改善及び復興支援をどれくらい行おうとするのかという意欲の度合いの問題でしかない。

 自衛隊の海外派兵は国内法上で認められる範囲を脱しているという意見には、そもそも、自衛隊自体の存在が憲法に違反しているわけだし、海外派兵は違反の度合いが増えるだけだと私は反論する。泥棒が10万円盗んだところで20万円盗んだところで、同じ泥棒をすることには変わらない、つまり、五十歩百歩の問題というわけ。本来、憲法を改正した上で自衛隊の活動を正当化し、海外派兵の問題をクリアするというのが正論だと思うのだ。憲法に違反する行為を、憲法解釈の手法で切り抜けて、自衛隊のイラク派兵まで行ったという、決定的な歴史的事実をここに明確にすることで、後々の憲法改正論議及び自衛隊のあり方にまともに取り込む動きが早くなるのを私は期待してもいるのだ。

 最後に、憲法にこう書かれているから、こう行動するというのではなく、今現在こういう状態だから、こう行動すべきで、そのために憲法を早急に変更した上で、こう行動するのだという姿勢を日本ができるようになることを期待しているし、そういう面で、小泉政権、特に、小泉首相の行動はそういう期待にとって都合がいいのである。それは、憲法が切り貼りだらけの普通の法律に成り下がっても、臨機応変に改正していき、常に日本が法治国家としての体裁が守れるようになることでもある。憲法をまったく変えないで時代を経ていくことはいろいろな軋みを日本社会に生むし、憲法と自衛隊の関係はそれを如実に示していると思う。そのための試金石としてイラク問題があるんじゃないのかなと感じるわけである。

 相変わらず、文章が下手だな。思ったことがうまく書けないや。というか、もっと推敲すべきなんだろうな。