[UP] [jback] [fork]

2003/08/15: 終戦の日その1

 8月15日は終戦の日だ。8月6日は広島の原爆の日、8月9日は長崎の原爆の日。私の小さい頃はこの日には多くのテレビ局で特番が編成され、戦争について多く語られていたのだけど、今年はもう悲惨。NHKで数時間しか特番がない。もう昔の話なんだろうが、隔世を感じぜずにいられない。

 私の父は終戦直前生まれ、母は戦後生まれで、それ程戦争に縁がない。父方の故郷は田舎であり空襲は縁がないし、母方の方は空襲があったけど、近い親戚にそれで死んだという話を聞かない。祖父は戦争に行ったけど後方勤務で命は助かった。戦死した知っているのは私のおじ一人なんだな。お盆の墓参りでは戦死したおじにお祈りするぐらい。父母ともに末っ子だったし、父方、母方ともに分家だから、祖祖父、祖祖母やそれ以前の祖先の縁はそれほどないし、その墓参りはさほどなかった。今は、祖父祖母は全員死んで、そうなると父母の実家はおじの家に過ぎなくなってしまって、縁もあまりなくなってしまっている。とにかく、戦争による死にあまり直結しない家系の人間だったな。

 戦争自体あまり縁がないので、戦争の記憶が薄れているといっても実感がない。けれど、テレビの特番が少なくなると、何か寂しい気もする。特番が減ったというのはそれほど視聴率集める番組になるわけではない一方、不況で悠長に番組を制作できなくなったからなんだろうな。

 私が生きているうちに日本が戦争を経験することはよもやあるまい。戦争とは各国の利害解決の手段であるが、別に各国が戦争をしてまで利害を探求することもない。後進国を除いて経済的繁栄を確立した先進国にとっては経済的繁栄に水を注す戦争はかなり不利益な存在だ。だから、戦争が起きるのは政治的経済的な基盤が弱い後進国ばかりで、戦争が起きてもとくに経済に打撃を受けるというわけでもないから戦争が可能なのである。中東なんか進んでいる国であっても石油さえ取れれば経済が動くので、戦争に対する抵抗が少ないんではないのかな。アフリカ各国は経済が遅れ過ぎ。そういう国で戦争やら内乱が起きたといってもそれが平常の世界なんだろうなと感じる。それらの国が資源一辺倒から作られるものではない経済的繁栄を確立してなお戦争が起きるのであれば危機的なものを感じるけどね。

 世界戦争が起こればそれは人類滅亡だと言われるが、人類滅亡してもいいと思えるぐらい各国の対立が激化しない限り戦争は起きないということの裏返しに過ぎない。今後、戦争に匹敵する被害を各国で起すのはテロリストの活動ぐらいなのだろうが、テロリストの活動は、多く平和な繁栄を享受している各国からの資金の流れがあってからこそだし、テロリストが全世界を混乱に導く状況が起きる可能性は低い。全世界規模での混乱が起きたとしてら、テロリストがテロリストらしく活動する力を失うのだし。世界がある程度平和で繁栄している中、多少の大小の突発的テロを起すというのが、テロリストの起せることの限界だろう。アメリカの同時テロで旅行者が激減、各国で厳戒態勢を取るケースが多発し、経済低迷の一因にはなったが、経済低迷は当時の経済の趨勢でしかなかった。

 独裁者存続のための戦争もありえるのだろうが、世界平和と経済繁栄から作り出された強力なアメリカの軍事力でイラクは潰れたし、後は北朝鮮ぐらいだ。北朝鮮は極度な管理社会でなんとか独裁を保っている程度。独裁を保つための管理社会化が経済的低迷を生み、中国その他から援助してもらわないと存続できそうにもない状況だし、自暴自棄になって最後のあがきとして戦争を起すこともあるかもしれないが、イラクの崩壊を見ていると、独裁者がよほど気概がないと戦争するための国のまとまりを作り出せないだろうし、北朝鮮の独裁者にはそれが欠けているので、まぁ暴発はないんじゃないのかなと思う。気概のある独裁者って現存するのってカストロぐらいかな。ま、独裁者の気概がなくても、開戦時の一撃を行うぐらいはできるだろうけどね。