- The Lord of the Rings
- [用語集]
- ホビットの冒険 : The Hobbit or There and Back Again
J.R.R.Tolkien 作の児童向けのファンタジー。
元来冒険するのが好きでないホビットであるビルボがいきなりやってきた魔術師ガンダルフとドワーフの一行とともに竜スマウグの住むかつてはドワーフの都市だったエレボールに向かうことになった。
ドワーフたちは、エレボールの失われた宝と仇敵スマウグを目指して、かたやホビットはびくびくしながら冒険をするという話です。
ひょんなことから、ビルボが奇怪な生物のゴクリと出会い、ゴクリとの知恵比べで、ゴクリの宝物の透明になる金の指輪を勝ち取ることが、次作の指輪物語に繋がっていきます。
ホビットの冒険は、指輪物語のオークがゴブリンとなっていたり、地図のルーン文字が現実のルーン文字で、指輪物語のドワーフのルーン文字(キアス)とは違っていたりするのがミソです。
- 指輪物語 : The Lord of the Rings
- 旅の仲間 : The Fellowship of the Ring
- 二つの塔 : The Two Towers
- 王の帰還 : The Return of the King
J.R.R.Tolkien 作の古典ファンタジー長編。以降のヒロイックファンタジーに多大な影響を与えた名作。
ドワーフとの冒険でビルボが手に入れた金の指輪は「一つの指輪」というものすごい指輪だった。
単に姿を消すだけでなく、冥王サウロンが手にすることですべての指輪を支配し強大な力を得、中つ国すべてを支配することのできる指輪だったのだ。
サウロンと敵対する中つ国の有力者、魔術師ガンダルフ、エルフのガラドリエル、ハーフエルフのエルロンドはエルフの「三つの指輪」をそれぞれ所持していて、冥王サウロンが「一つの指輪」を持つことは敵対勢力すべて彼の力の下に伏すことを意味する。
そこで、その「一つの指輪」を消滅させるため「滅びの亀裂」に向かう一行が密かに結成された。魔術師ガンダルフ、ゴンドール執政デネソールの長男ボロミア、デュナダインのアラゴルン、エルフのレゴラス、ドワーフのギムリ、ビルボの養子のフロドとホビットの仲間、サム、メリアドク、ペレグリンら一行である。
彼らの長く困難な暗い冒険を綴った、のちに「指輪戦争」として語り継がれる話がこの「指輪物語」です。
指輪物語の冒頭にはこんな詩が書かれています。
Three Rings for the Elven-kings under the sky,
Seven for the Dwarf lords in their halls of stone
Nine for Mortal Men doomed to die,
One for the Dark Lord on his dark throne
In the Land of Mordor where the Shadows lie.
One Ring to rule them all, One Ring to find them,
One Ring to bring them all and in the darkness bind them
In the Land of Mordor where the shadows lie.
日本語訳は、
三つの指輪は空の下エルフの王に、
七つは岩の館のドワーフの君に、
九つは死すべき定めの人の子に、
一つは暗き玉座の冥王のため
影が横たわるモルドールも地に。
一つの指輪はすべてを定め、一つの指輪はすべてを見つけ、
一つの指輪はすべてを捕え、影の下に繋ぐ。
影の横たわるモルドールの地に。
てな感じですか。
ホビットって魔法に対する耐性が強くて、ゴクリやビルボ、フロド、サムと「一つの指輪」を所持していったわけだけど、結局それが元で「一つの指輪」はその本来の力を発揮できず消滅してしまった。
サウロンが世界を支配するため鍛えた指輪はイシルデュアによって彼の指から剥ぎ取られ、イシルデュアの死とともに行方不明となったが、ゴクリが発見した時点で終わったのです。
「一つの指輪」それは「支配の指輪」とも言われているけど、結局不遇に終わった魔法アイテムだった。なんらかしらの意志を持っていて作者のサウロンの元に戻ろうとするも、その魅了の力がひょんなことにホビットに掛かってしまった。
ゴクリが深い闇の中で指輪を抱いたまま隠れ住んでいたお陰で世界は平和だったわけだけど、その長い間、指輪の力はゴクリを支配しようと彼を変えていったものの、変えきることはできなかった。
ビルボ、フロドと渡っていった後、人間のボロミアに手に渡ろうという千載一遇のチャンスがあったが、長い倦怠期のためか「一つの指輪」はいざ力を発揮する前にそのチャンスを逸してしまう。
指輪物語の冒険の中で、フロドを支配しようと力を振り絞って試みるも、フロドが発狂しそうなところでサムの手に渡ってしまう。結局その後、ホビットたちの間の指輪の争奪の中で消滅してしまうのです。
サウロンは世界を支配するため、密かに他の指輪を支配する「一つの指輪」を作っておきながら、ノルドールのエルフに力の指輪を作らせた。
3つはエルフに、7つはドワーフに、9つは人間に与えられた。しかし、そのサウロンの企みを察知して、3つの指輪はサウロンの邪念が込められる前に、エルフはサウロンの力に抵抗できる者、ギル=ガラド、ガラドリエル、キアダンに託された。人間はまんまとひっかかり9人は指輪の幽鬼と化し、ドワーフの所有者の多くは指輪の力により災厄に会ったみたいだが、結局、指輪を捨ててその力から解放された。ドワーフの最後の指輪の所有者のデュリンは、指輪の力を受けながらも、その力に完全に屈服しなかったためか、サウロンにえらく憎まれたみたい。そのデュリンもモリアで殺されて、指輪はサウロンの元に戻った。
このように世界を支配しようとしたサウロンだったが、2度の戦いで肉体を失い、自分の分身とも言うべき「一つの指輪」をイシルデュアに奪われ、ウルクやトロールと強力な生物を作り出し最後の力の拠り所である「一つの指輪」を目指すも失敗に終わってしまう。
しかし、「一つの指輪」が消滅することで、力の指輪はすべて力を失い、それを拠り所にしていたエルフの3つの指輪を持つ、もしくは、持っていたあのガラドリエル、エルロンド、ガンダルフ、キアダンは中つ国を去っていった。「一つの指輪」を所持したビルボ、フロド、サムもである。
という感じで「指輪物語」は悲しい物語なんです。
「指輪物語」の邦訳は瀬田貞二のものが最初出ました。敬体を使っているものの渋い文体でなかなかの味のあるものでした。
「ホビットの冒険」も瀬田貞二です。瀬田貞二については私はあまり知りませんが、児童文学で名の通った翻訳者です。
中つ国の伝説を詳しく述べているシルマリルの物語(シルマリルリオンとも。J.R.R.Tolkienの死去後、娘が父の中つ国の資料をもとに編纂したもの)の訳もしている田中明子による新しい訳が出て、ついに前訳では省略されている補遺も訳されたものの、なんか軽い文体で若い人にはそれでもいいのかもしれないが、ちょっと私には好かないです。
「指輪物語」の寺島龍一のさし絵は結構好きです。「指輪物語」の愉快なホビットたちに彼の描くホビットは本当に合うのです。機会があったら、彼に「指輪物語」のマンガかなんか書いて欲しいですね。
「指輪物語」は MERP(Middle Earth Role Playing?) や Rolemaster とか RPG界で発展したみたいで、そのため、クエンヤ語やシンダリン語が形あるものになったりとマニアックな世界を作ることになった模様。
- Elbereth
指輪物語に出てくる。指輪の仲間のフロドらホビットたちは、エルロンドの館でエルフの歌「エルベレス、ギルソニエル、……」を聞いたのだけど、
旅の中でこの歌を思い出し口ずさむことで、指輪の幽鬼やオーク鬼どもの恐怖を退けることができたのだ。その効力が Nethack で魔物を退散させる意味に転じたみたい。
エルフの歌だからもちろんエルフには効かない。なぜかライカンスロープにも効かない。
私は、無料サイトのアカウントを取るとき自分の好みの ID が使われていてダメなときは elbereth にしてる。
- Uruk-hai
Nethack で序盤に登場する強敵といえば、そう、ウルクハイのオーク集団である。高輝度の o で表現されていて、突然出現、撤退を余儀なくされることもしばしば。
指輪物語では、体が大きく力も強いオーク鬼のことをウルクハイと呼ぶ。ま、オーク鬼のエリートなわけで指輪の仲間の一行も度々彼らの力に恐怖する場面も多々あった。確かボロミアは死んだのも彼らの仕業だった気がする。
一般にゲームだとオークって雑魚キャラだけど、指輪物語では人間並みの力を持つ戦士である。とは言え、勇猛さや士気は低い。ただ、指輪の幽鬼(ナズグル)の指揮下だったりするとそれをカバーできるのでかなり強力な戦力になってしまう。